『宇宙消失』
エフィンジャーの『重力が衰えるとき』を思い起こさせるサイバーパンク+ピカレスク的な魅力も持っていますが、やはりグレッグ・イーガン。小難しいです。でも、この思考パズルのような小難しさもSF小説の魅力のひとつなんですよね。
グレッグ・イーガンはハードSFと呼ばれるジャンルの作家で、本書では「シュレディンガーの猫」のパラドックスを題材としています。このため、量子論に関する基礎知識が全くないと、理解が困難な部分もあると思います。でも、安心してください。訳者が巻末でかなり詳細に解説していますので、いざとなったら参考にすればよいでしょう。