Office 2.0 について考える
「Microsoft
Office」に代表されるオフィススイートにはワープロや表計算あるいはプレゼンテーションといったアプリケーションが含まれますが、これらのアプリケーションが
AJAX などの技術を用いて SaaS として提供されるケースが本当に多くなってきました。
最も多くの利用者を獲得しているのは「Google
Docs & Spreadsheets」でしょうが、先に紹介した「Zoho」や、ソースネクストが日本語版を提供することとなった「ThinkFree」など、実に様々なサービスが提供されています。
これらの Web2.0 的なアプリケーションの総称として、「Office 2.0」という用語が使われることもあるようです。
何にでも
"2.0" を付ければよいというものでもないと思いますが、この用語はある程度定着するかもしれません。昨年末には「Office 2.0
Confrence」という会議も開催されたようです。
では、「Office
2.0」サービスは、どの程度普及するのでしょうか?
個人的には、ワープロや表計算のように、既に多くのユーザーが日常的に利用しているアプリケーションについては、それほど簡単に乗換はされないんじゃないかと思っています。
インターネットに繋がればどこでも利用可能だというのは魅力的ですし、オフライン機能が搭載されるようになれば、その魅力は更に増大するでしょう。
しかし、出張先などで「Office
2.0」サービスを利用するというケースは増加しても、普段利用するのは「Word」や「Excel」だという状況がしばらくは続くような気がします。
一方、データベースに関しては、ワープロや表計算に比べて遙かに有望であるように思われます。
「Access」はデータベース入門用の製品として多くのユーザーに親しまれていますが、それでも「Word」や「Excel」ほど普及しているわけではありません。
「Word」や「Excel」が個人向けPCにプレインストールされていることは珍しくありませんが、「Access」がプレインストールされているのは希でしょう。
「Oracle」や「DB2」などの本格的な
DBMS
と比較すれば確かに簡単であるかもしれませんが、利用するためには専門的な知識もそれなりに必要となります。また、多くの場合、データベースはネットワーク上に構築されてこそ意味を持ちますが、ユーザーにとってはその環境整備も大きな負担となります。複数のユーザーがネットワークを介してデータを共有するのでなければ、たいていの場合は表計算で事足りてしまうのではないでしょうか。
「Zoho
Creator」や「Dabble
DB」など、データベース関連の「Office
2.0」サービスには、上記のような理由で「Access」を利用したことのなかったエンドユーザーにも、ちょっと試してみようかと思わせる気軽さがあります。
セキュリティについてはどの程度信頼できるのか等、課題も少なくないとは思いますが、単なる「Access」の代替アプリでない魅力があると思います。
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